講義
数理科学をはじめとする科学の各分野から、第一線の研究をなさっている著名な研究者の方々を数名招待し、それぞれの専門分野に関する最先端の講義がなされます。講師の先生方には、高校生だからといって遠慮することの無いハイレベルな講義をして下さるようお願いし、極めて濃密な講義が行われています。
講義の内容が十分には理解できないということもしばしばありますが、自分にとって未知なことが沢山ある、ということを認識し、講義をききながら疑問点や興味が自然発生的に湧いてくることを重視しています。
これらの疑問点や興味は、セミナーの中で講師の先生方に直接質問したり、他の参加者と話し合う中で、解消されたり、あるいはより一層深く掘り下げられていきます。
また数理の翼夏季セミナーは40回目の開催を迎え、過去参加者であった同窓生の中には、既に大学・研究所などで研究職に携わる方も増えてまいりました。そこで、このようなセミナーOB・OGの中からも講師を引き受けて頂いています。
夜ゼミ
夜の自由時間に参加者が自主的に開くゼミのことです。
数理の翼夏季セミナーでは、プログラムのない夕食後から就寝時間までを、宿泊施設内での自由時間とし、さらにいくつかの部屋を「夜ゼミ用」として開放しています。
この時間、参加者の中にはレクリエーションを楽しむ人や休養を取る人もおり、なごやかなひとときですが、大部分の参加者は、大広間に集まって夜ゼミに参加します。
夜ゼミの中には、あらかじめ大学生の班長などが企画して事前に予告して行うものもありますが、部屋に集まった参加者の中から自然発生的に始まるものもあります。かくして、夜中の自由時間の『夜ゼミ部屋』では、あちこちで小さなの人の輪がいくつも生まれ、スタッフが用意した携帯用ホワイトボードを囲んで就寝時間が来るまで白熱した議論が交わされます。
ゼミの中身は、昼間の講義についての解説や疑問点に関する夜ゼミがもっともメジャーですがそれだけに留まらず、数学や物理学、生物学などの諸分野について、参加者が日頃考えていることを発表、討論したりするような夜ゼミもあれば、大学生が高校生に大学の研究室の様子を説明する夜ゼミもあれば、自分たちの人生観などについて討論する夜ゼミなど様々で、個々の興味分野について情報を交換・吸収したり、意見を闘わせることができます。
このように「夜ゼミ」は、参加者の能動的な参加の場として大きな意義をもっています。知識の吸収に貪欲な参加者の多い、数理の翼ならではのひとときです。
参加者発表
数理の翼夏季セミナーは、ただ参加者が受け身になって話を聞くだけのセミナーではありません。参加者主体の活発なやり取りもセミナーの醍醐味の一つです。
参加者発表は、参加者自身がこれまで講師が立っていた場所に立って、自分の研究や普段から考えていることを発表する場です。セミナー期間中に1~2回程度時間が設けられています。
特に、「人前で自分の考えたことを発表する」機会が日常生活ではあまり与えられていない高校生には、とりわけよい刺激になるようです。「自分なんかが発表しちゃいけないかも……」などと考えず、是非積極的に発表してみて下さい。多いときでは、20人程度の発表があります。発表の内容も、部活等で行った研究の発表から、自分の興味のあるトピックを紹介するものまで様々です。中には、自分の住んでいる地域の紹介や、自らの人生観を語るようなユニークな発表もあり、毎年大盛況となります。