数理科学をはじめとする科学の各分野で第一線の研究に携わる著名な研究者の方々に、中高生だからといって遠慮することのないようなハイレベルな講義をお願いしています。
講義の内容が十分に理解できないということもしばしばあるかもしれませんが、本セミナーではそのようなときに湧いてくる疑問点や興味を重視しています。
講師の先生に直接質問したり参加者間で意見を交わしたりする中でより深い理解や探究心を培ってください。
また、数理の翼セミナーは過去50回以上開催されており、大学・研究所などで研究職をされる過去の参加者の方も多くいらっしゃいます。このような方の中からも講師を引き受けていただいています。
夜の自由時間に参加者間で自主的に開くゼミのことです。
過去の数理の翼セミナーでは夕食後に大部屋で夜ゼミを開催していましたが、本セミナーでもオンラインツールを活用して夜ゼミを開催できる環境をご用意します。
過去の夜ゼミの内容の例として、以下のようなものがあります。
深谷先生は、幾何学を専門に数学の研究をされております。
現在は特に、シンプレクティック幾何学とゲージ理論を研究されています。
また、大きな業績としては、ホモロジカルミラー対称性予想にかかわる、深谷圏の定式化などが挙げられます。
シンプレクティック幾何学やゲージ理論といった先生の研究対象は、物理学に起源を持つものではありますが、幾何学のことばを用いて記述される数学的な研究対象です。
物理という宇宙の根本原理から、抽象的な数学の世界が広がる。
そんな美しい世界を、ぜひ体験してみてください。
村上先生はトポロジカル相やスピン流を対象とする物性理論を研究されています。
物性理論では、構成粒子の微視的な振る舞いを数学を用いて理解することで、物質の巨視的現象の発見を試みます。
例えば電気伝導に関して特異な性質を持つトポロジカル絶縁体の物性は、トポロジーという数学のことばによって説明できます。
抽象的な数学概念が特徴的な物理現象に目に見える形で結びつく面白さや、
ミクロな構造の考察からマクロな現象の予言ができる興味深さをぜひ実感してください。
白木先生は蛋白質の研究をなさっている研究者です。 特に重要なキーワードは相分離生物学です。 相分離生物学というのは、従来の生物学の教科書に書かれていた代謝や遺伝子発現などの重要な話題が、 蛋白質の溶液物性を調べることで、現象の解釈の仕方に新たな視点を取り込める最近の生物学のホットトピックです。 シンプルな物理現象から複雑な生命現象を説明することができるという相分離生物学の魅力をぜひ感じてください。
私たちの身の回りは、化学製品に溢れかえっています。 限りある資源を有効に活用し、持続可能な社会を実現するためには、既存の技術を改善、改良していく必要があります。 エネルギー問題、環境問題に対して取り組むべき課題を念頭に、ナノサイズの無機構造体の精密制御を行っています。 poly(たくさん)oxo(酸素)metal(金属)ate(負電荷)(ポリオキソメタレート)と呼ばれる化合物群の持つ構造の美しさ、展開されてきた化学、今後の可能性について紹介します。