2024年3月開催の伊計島セミナー2024はこちらから!沖縄県伊計島で最先端の数理科学に浸る4泊5日間
応募は1/12(金) 20時まで!
『数理科学に強い関心を抱く』中学生・高校生を対象とした4泊5日の合宿形式のセミナーであり、
日本全国から中学生・高校生が集合し、地域や学年を超えたネットワークが形成されます。 セミナーでは講師やTAを含めた全ての人々と時間を共有し、 深い交流を持つことで、学び、主体的に考え、対話したり、最先端の研究の一端を垣間見ることで、 普段の学校生活では得られない体験をすることができます。数理科学をはじめとする科学の各分野から、第一線の研究をなさっている著名な研究者の方々を数名招待し、
それぞれの専門分野に関する密度の濃い話がなされます。講師の先生方には高校生だからといって遠慮することの無いハイレベルな講義をして下さるようお願いし、
極めて濃密な講義が行われています。
あまり馴染みのない分野もあるかもしれませんが、すべての講義に対して興味を持って聞いてみてください。
今までとは違った興味が芽生えたり、もっと数理科学を好きになったりするかもしれません。講義の内容が十分には理解できないということもしばしばあるかもしれませんが、自分にとって未知なことが沢山ある、ということを認識し、講義をききながら疑問点や興味が自然発生的に湧いてくることを重視しています。これらの疑問点や興味は、セミナーの中で講師の先生方に直接質問したり、他の参加者と話し合う中で、解消されたり、あるいはより一層深く掘り下げられていきます。
また数理の翼セミナーは過去40回の開催を超え、過去参加者であった同窓生の中には、既に大学・研究所などで研究職に携わる方も増えてまいりました。そこで、このようなセミナーOB・OGの中からも講師を引き受けて頂いています。
夜の自由時間に参加者が自主的に開くゼミのことです。
セミナーでは、プログラムのない夕食後から就寝時間までを、宿泊施設内での自由時間としています。この時間、「夜ゼミ用」として開放している部屋があります。
そして、携帯用ホワイトボードを囲んで就寝時間が来るまで白熱した議論が交わすことができます。
夜ゼミは、大学生のスタッフや、部屋に集まった参加者が自由に開くことができます。ゼミの中身は、昼間の講義についての解説や疑問点に関する夜ゼミがもっともメジャーですがそれだけに留まらず、数学や物理学、生物学などの諸分野について、参加者が日頃考えていることを発表、討論したりするような夜ゼミもあれば、大学生が高校生に大学の研究室の様子を説明する夜ゼミもあれば、自分たちの人生観などについて討論する夜ゼミなど様々で、
個々の興味分野について情報を交換・吸収したり、意見を闘わせることがきます。全国から集まった参加者や講師の方々、大学生のスタッフと様々な人と交流する良い機会です。気軽に参加してみましょう。
私たちのまわりにはパソコン・スマートフォンなどの身近な電子機器そのものや、インターネットやGPSなど情報技術まで、広く科学で説明される現象や技術を用いたものがたくさんあります。 このように、人類のこれまでの科学の成果は私たちの生活の至る所で利用されています。 『企画』では、そんな『日常の科学』の中からテーマを取り上げ、参加者の皆さん自身に手を動かして取り組んでもらいます。 教科書にも載っていて日常生活になくてはならない「あの科学」も、実際に作ってみるのは案外難しいかもしれません。 参加者が班に分かれ、班のメンバーで協力し活動に取り組むことで、他の参加者の輝きに触れ、また自身も自分の輝きに気づくことができるでしょう。
今回のセミナーでは、AtCoder株式会社 代表取締役社長である高橋直大先生の監修の下、研究の世界だけに留まらず、実際の社会の現場でも通用するような問題解決能力を養う企画を行います。 高橋先生にはセミナーに参加していただき、解説等もしていただく予定です。人工知能研究のこれまでとこれから
近年、自動運転車、会話ロボット、コンピュータ囲碁など私達の身の回りの様々な場面で、人工知能を用いたシステムが用いられるようになってきました。 そのような先端的な人工知能システムの背後では、コンピュータにヒトのような学習能力をもたせる「機械学習」とよばれる技術が用いられています。 本講義では、まず機械学習の基礎である教師付き学習、教師なし学習、強化学習の概念を説明します。 次に、機械学習を含む人工知能の研究が世界的にどのように発展してきているかを説明します。 そして、現在日本においてどのような人工知能研究が行われているかを紹介するとともに、私自身が関わっている先端的な機械学習の研究についてもお話しします。 最後に、人工知能社会が向かうべき今後の方向性について、みなさんと議論したいと思います。
私たちはどうしゃべっているのか?音声学への招待
音声学とは、我々が音を使ってコミュニケーションをとるときに何が起こっているかを科学的に分析する学問です。
我々が音を発する仕組みをさぐる学問を「調音音声学」と呼び、生物学・生理学と密接な関わりがあります。
発せられた音は、空気中の圧力変化として聴者に伝わり、この側面を分析する分野を「音響音声学」と言います。
音響音声学は物理学の一分野です。聴者がこの圧力変化をどのように言語音として解釈するかを「知覚音声学」と呼び、
心理学と密接な関わりを持ちます。このように音声学は文理の壁を越えた学際的な学問です。
ただし、本講義ではあまり「お堅い」音声学のお話だけではなく、日本語ラップの韻の分析、ポケモンやプリキュアの名前分析などから音声学へと迫って行こうと思います。
現代の代数幾何:トロピカル幾何学とその応用
数学では図形をどう論理的に扱っているでしょうか。中学の初等幾何学や、高校の「図形と方程式」が思い浮かびます。 後者では座標関数を用いて点や直線などをデータ化し、代数計算で交点などの情報を求めます。 この代数幾何の手法は、17世紀にデカルトが生み出し、20世紀にはグロタンディックが関数の可換環を基にした概型の理論に発展させています。 今世紀になり、概型の構成に環は余計で、より基本的な「熱帯(=トロピカル)代数」が本質にあることが分かってきました。 この講演では、熱帯代数に関わる幾何と、他分野への応用について、広く議論したいと思います。
ブラックホールの謎をさぐる
ブラックホールはもともと一般相対性理論の解として理論的に見つけられたものであるが、 現在ではその存在を観測によって確かめることもできるようになった。 本講義ではブラックホールの基礎(例えばシュワルツシルト解やエントロピー、ホーキング輻射) からはじめ、ブラックホールにまつわる最新の話題(例えば情報喪失問題,ホログラフィー, ワームホール,原始ブラックホール,カオスなど)を適宜取捨選択して時間の許す限り紹介したい。 またブラックホールが現在の素粒子論・宇宙論の中でどう議論されているのか、 そしてその過程でどのような数理が現れるのかなどの一端にも触れられればと考えている。
特別企画
中学や高校では「あらかじめ答えの用意されている問題」を解くことがほとんどです。 しかし、実際に研究の道へ進んだり社会に出てみたりすると「まだ誰も解いたことのない問題」や「そもそも正解があるかわからない問題」に出会うことがほとんどです。 そんな問題に出会ったとき、私たちはどのように問題を考えればいいでしょうか? 本企画では『アルゴリズム』をキーワードに、身近なものを題材にした「未知なる問題」に挑戦していただきます。 理路整然と論理を詰めたり、意表を突いたアイデアで、より良い答えを見つけ出してみましょう。