2016年8月18日
第37回数理の翼夏季セミナーは、予定通り終了しました。
2016年6月20日
応募を締め切りました。
2016年5月10日
講師情報・応募情報などを公開しました。
2016年5月4日
Webページを公開しました。
このセミナーの特徴は、伝統的に「浮きこぼれ」と呼ばれるような数理科学に強い関心を持つ高校生が日本各地から集まることです。著名な第一線の研究者、若手研究者、大学生の参加するなか、高校生が主人公となり、毎日、数理科学関連の話題について学び、考え、意見を交換しあいます。しかしこのセミナーは、必ずしも具体的知識を増やすことや特定の技術を習得することを目的とするものではありません。短期的に知識や技術を身につけるという効果よりは、最先端の研究・研究生活の一端を垣間見、加えて数理科学という共通の関心を核に集まった参加者が学年や地域を越えて交流することにより、各分野における創造の芽を育み、それを発展させていく活力を与えることを目的としています。また、参加者の間に生涯にわたる強い絆が生じることも稀ではありません。このセミナーを通して次世代を担う創造力の豊かな若者が一人でも多く育つことを期待しています。
たくさんのご応募・ご参加を、スタッフ一同、お待ちしております。
第37回数理の翼夏季セミナー
実行委員長中原 教博
開催日程 | 2016年8月14日(日) - 18日(木) | |||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
会場 | 山梨県上野原市 | |||||||||||||||
主催 | 特定非営利活動法人 数理の翼 | |||||||||||||||
参加者数 | 高校生40名程度、大学生または大学院生班長数名 | |||||||||||||||
講師 |
|
この活動は子どもゆめ基金(独立行政法人国立青少年教育振興機構)の助成の交付を受けています。
数理科学をはじめとする科学の各分野から、第一線の研究をなさっている著名な研究者の方々を数名招待し、それぞれの専門分野に関する密度の濃い話がなされます。講師の先生方には、高校生だからといって遠慮することの無いハイレベルな講義をして下さるようお願いし、極めて濃密な講義が行われています。
あまり馴染みのない分野もあるかもしれませんが、すべての講義に対して興味を持って聞いてみてください。今までとは違った興味が芽生えたり、もっと数理科学を好きになったりするかもしれません。
講義の内容が十分には理解できないということもしばしばあるかもしれませんが、自分にとって未知なことが沢山ある、ということを認識し、講義をききながら疑問点や興味が自然発生的に湧いてくることを重視しています。
これらの疑問点や興味は、セミナーの中で講師の先生方に直接質問したり、他の参加者と話し合う中で、解消されたり、あるいはより一層深く掘り下げられていきます。
また数理の翼夏季セミナーは30回の開催を超え、過去参加者であった同窓生の中には、既に大学・研究所などで研究職に携わる方も増えてまいりました。そこで、このようなセミナーOB・OGの中からも講師を引き受けて頂いています。
夜の自由時間に参加者が自主的に開くゼミのことです。
数理の翼夏季セミナーでは、プログラムのない夕食後から就寝時間までを、宿泊施設内での自由時間としています。この時間、「夜ゼミ用」として開放している部屋があります。そして、携帯用ホワイトボードを囲んで就寝時間が来るまで白熱した議論が交わすことができます。
夜ゼミは、大学生の班長や、部屋に集まった参加者が自由に開くことができます。ゼミの中身は、昼間の講義についての解説や疑問点に関する夜ゼミがもっともメジャーですがそれだけに留まらず、数学や物理学、生物学などの諸分野について、参加者が日頃考えていることを発表、討論したりするような夜ゼミもあれば、大学生が高校生に大学の研究室の様子を説明する夜ゼミもあれば、自分たちの人生観などについて討論する夜ゼミなど様々で、個々の興味分野について情報を交換・吸収したり、意見を闘わせることがきます。全国から集まった参加者や講師の方々、大学生の班長と様々な人と交流する良い機会です。気軽に参加してみましょう。
数理の翼夏季セミナーは、ただ参加者が受け身になって話を聞くだけのセミナーではありません。参加者主体の活発なやり取りもセミナーの醍醐味の一つです。
参加者発表は、参加者自身がこれまで講師が立っていた場所に立って、自分の研究や普段から考えていることを発表する場です。セミナー期間中に1~2回程度時間が設けられています。事前にスタッフに申し込めば誰でも発表を行なう事ができます。
特に、「人前で自分の考えたことを発表する」機会が日常生活ではあまり与えられていない高校生には、とりわけよい刺激になるようです。「自分なんかが発表しちゃいけないかも……」などと考えず、是非積極的に発表してみて下さい。多いときでは、20人程度の発表があります。発表の内容も、部活等で行った研究の発表から、自分の興味のあるトピックを紹介するものまで様々です。中には、自分の住んでいる地域の紹介や、自らの人生観を語るようなユニークな発表もあり、毎年大盛況となります。
大矢根綾子先生
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 主任研究員
紹介
先端医療に役立つ生体材料を創ることが大矢根先生の研究です。ふつう体内に非自己なものが入り込むと、生体はそれを排除しようとします。このような異物反応は、医療機器などの人工物を体内に埋め込む際に問題となることがあります。この難題を解消し、さらに材料の機能を向上させるためには、どのような手法があるでしょうか。創られた生体材料の仕組みと、その応用例を覗いてみましょう。
略歴
1993年 | 東京都立立川高等学校卒業 |
---|---|
1997年 | 京都大学工学部工業化学科卒業 |
1999年 | 京都大学大学院工学研究科材料化学専攻修士課程修了 |
2001年 | 日本学術振興会特別研究員(DC2) |
2002年 | 京都大学大学院工学研究科材料化学専攻博士後期課程修了、博士(工学) |
2002年 | 独立行政法人産業技術総合研究所 研究員 |
2009年 | 同所 主任研究員 |
リンク
https://staff.aist.go.jp/a-oyane/黒川信重先生
東京工業大学理学院(数学系)教授
紹介
黒川先生のご専門は数論です。数論はその名のとおり数、特に整数および数の体系の性質について研究する数学の王道ともいえる分野です。黒川先生は、リーマン予想の解明に関係するものとされている、一元体上の数学の理論などのような、従来の枠組みに囚われない新しい発想に基づく研究をされています。日頃の学習では容易には到達できない、数論の独特の奥深い魅力と面白さを味わってみませんか。
略歴
1975年 | 東京工業大学理学部数学科卒業 |
---|---|
1977年 | 東京工業大学大学院理工学研究科数学専攻修士課程修了 |
1986年 | 東京工業大学理学部数学科助教授 |
1991年 | 東京大学理学部数学科助教授 |
1992年 | 東京大学大学院数理学研究科助教授 |
1994年 | 東京工業大学理学部数学科教授 |
1998年 | 東京工業大学大学院理工学研究科数学専攻教授 |
2016年 | 東京工業大学理学院数学系教授 |
広瀬茂男先生
東京工業大学 名誉教授 /㈱ハイボット 代表取締役会長 CTO
紹介
これからの時代、ロボットはますます我々の生活と深く関わってくることでしょう。一口にロボットと言っても、それには様々な姿形があります。広瀬先生はヘビ型ロボットの開発をし、その独創的なアイディアで世界中の研究者を驚かせました。現在でも最先端ロボットの研究、開発を行っている広瀬先生。その独創的なロボットはどのようにして生み出されたのでしょう。ロボット工学の面白さを感じ、その未来について考えてみましょう。
略歴
1976年 | 東京工業大学制御工学専攻博士課程修了(工学博士)。同学助手、同学助教授 |
---|---|
1992年 | 東京工業大学機械物理工学科(2000年以降機械宇宙システム専攻)教授 |
2006年 | 東京工業大学スーパーメカノシステム創造開発センター長 |
2011年 | 東京工業大学卓越教授など歴任 |
2013年 | 現職。ロボット創造学の研究に従事 |
リンク
https://www.hibot.co.jp/jp/home正田亜八香先生
国立天文台 重力波プロジェクト推進室 学振PD
紹介
今年2月、重力波初観測のニュースに世界が沸き立ったのは、記憶に新しいと思います。これをきっかけに宇宙物理について興味を抱いた方もいるのではないでしょうか?正田先生は、宇宙物理がご専門です。大型低温重力波望遠鏡KAGRAで重力波に関する研究をなさっています。耳をすまして、重力波という名の星たちの声を聴いてみたいと思いませんか。そして、宇宙という極めて大きな謎の世界を覗いてみましょう。
略歴
2010年 | 東京大学理学部物理学科卒業 |
---|---|
2012年 | 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修士課程修了 |
2012年 | 日本学術振興会 特別研究員(学振DC1) |
2015年 | 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了 |
2015年 | 国立天文台 重力波プロジェクト推進室 学振PD |
島田敏宏先生
北海道大学大学院工学研究院応用化学部門 教授
紹介
現在は工夫することで物質の制御・計測を原子分子レベルで行うことが可能な時代となってきました。島田先生は装置開発も得意とされており、今までにない制御や計測を可能とする技術を編み出しています。その新しい技術を使い、さまざまな機能を持つ物質を合成してきました。ナノレベルの緻密な設計を実現した物質がどのような性質や機能を持つのか、高校化学とは一味違う現象があなたを待っています。
略歴
1988年 | 東京大学理学部化学科卒業 |
---|---|
1990年 | 米国デュポン中央研究所 客員研究員 |
1993年 | 東京大学大学院理学系研究科博士課程修了 |
1993年 | 東京大学理学部化学科 助手 |
1999年 | 東京大学大学院理学系研究科化学専攻 講師 |
2001年 | 東京大学大学院理学系研究科化学専攻 助教授 |
2010年 | 北海道大学大学院工学研究院応用化学部門 教授 |
リンク
http://www.eng.hokudai.ac.jp/labo/kotai/実行委員長
中原教博
(株)富士通システムズ・ウエスト
今回のセミナーでは、11年ぶりに実行委員長を拝命しております。企画運営の責任者として皆様の安全と、多くの感動を得られるような環境づくりをサポートしていきたいと思っています。普段は、電子カルテのSEとして働いています。大学時代には、知能情報工学を研究していました。近年ディープラーニングなど流行が再来しており、数理科学の日進月歩を感じ、改めてワクワクしたりすることが多くあります。
当日、みなさんの感動する顔を見られることを楽しみにしております。
副実行委員長
大坪新平
九州大学芸術工学部3年
デザインとコンピュータを学ぶ学部の3年生です。バーチャルリアリティ/人工知能などこれからの世界で活躍するであろうと期待している技術を学んでいます。このセミナーではスタッフのまとめ役をやっています。セミナーを少しでも有意義なものにするために頑張ります。様々な新しい可能性に出会えることに期待しています。
広報担当
青山実樹
茨城大学理学部理学科学際理学コース1年
セミナーでは、広報の担当をしています。私は、大学で、物理と地球環境を主に学ぼうと考えているところです。参加者の皆さんが、5日間のセミナーで、たくさんの刺激を受けて、思い出に残るような経験になることを願っています。思いっきり楽しんでもらえるように、頑張ります。
報告書担当
秋田純一
金沢大学理工学域電子情報学系教授
初めてこのセミナーに参加してから28年、それがいま大学教員として研究者になる原点でした。そんな存在が多くの人にあり続けられるように、主に裏方としてセミナー運営に関わっています。
企画/広報担当
荒井駿
京都大学理学部理学科3回
人が相互に影響し合って変わっていくという現象に興味があり、人間の認知にアプローチする手段として数学や物理を勉強しています。セミナーの参加者たちが今まで会ったことないような人たちと出会ってどのように変わっていくのか、当日の様子やその後の参加者の変化を楽しみにしながら準備しています。
会計担当
荒川陸
東京大学理科1類2年
Technologyなスタッフです。プログラミングでものづくりをしていて、たとえばiPhoneアプリやWebサービスを作っています。グラフィックデザインと写真とお笑いと漫画が趣味です。最近は機械学習を勉強の傍ら数学をやっています!プログラミングやアプリなどに興味のある人はぜひお話ししましょう
講師担当
石田耕大
京都大学理学部化学系4回
物理的性質の本質を見極め、それを付与することで今までにない材料を創り出す「物性化学」の研究をしています。
大学院入試を控えているため当日は参加できませんが、思い出に残るセミナーとなるようお手伝いできればと思います。
会場機材担当
奥村喜晶
東京工業大学理学院数学系数学コース
博士1年
大学院の博士課程で数学の研究をしています。専門は整数論で、特にガロア表現というものに興味を持っています。今回のセミナーでは会場担当として、参加者の皆さんが楽しく安全にセミナーが出来るように精一杯お手伝いしたいと思います。
参加者担当
木村武龍
東京大学理科1類2年
参加者担当の木村です。脳や人工知能に興味があり、最近は機械学習を勉強しているまっ最中です。複雑な現象がどのような仕組みで成立しているのかを解明することにロマンを感じます。セミナーでさまざまな興味を持った高校生たちに会えるのを楽しみにしています。皆さんも他の参加者との出会いを楽しんでください。
スタッフ長
諏訪勇人
北海道大学理学部数学科2年
北海道で数学を学んでいます。おかげで寒さには強くなってきた気がします。セミナーではスタッフの取りまとめをしています。参加者のみなさんの世界を広げられるようなセミナーづくりを心掛けています。当日にみなさんに会えることを楽しみにしています。
講師担当
谷晃輔
東京工業大学工学部機械宇宙学科2年
ロボットに興味があり、大学では機械系のことを学んでいます。ロボットコンテストへの参加もしていて、今年で11年です。その手のことに興味があったらぜひ話しかけてください。このセミナーを通して皆さんの科学への興味が広がれば嬉しいです。セミナーで会えるのを楽しみにしています。
会場機材担当
福永隼也
東京大学理科1類2年
ラーメン好きの関西人です。大学では化学を中心に勉強していくつもりですが、ひとえに化学と言っても対象は様々です。一見関係のないような分野とも意外なところでつながっていて、別の勉強をしてみて改めて化学を見直してみても楽しいです。数理は広く好きなので、何でも話しかけてください。
企画担当
渡邉ほの香
東京大学理科1類2年
企画係の渡邉です。キラキラした高校生に会うのを楽しみにしております。私が高校生のころに得たような、かけがえのない経験を、参加者ができるといいな、と思っています。大学では、生命科学とか有機化学とかの勉強をしつつ、面白そうな分野を色々とつついているところです。