数理の翼夏季セミナーは、フィールズ賞受賞数学者の広中平祐氏により1980年に第1回が開催されて以来毎夏各地で開催されている、合宿形式のセミナーです。将来の科学技術を担う主力となるべき若い世代を発掘し育成する活動の一翼を担うべく、全国各地から数学・理科等に優れた素質と強い関心を持つ高校生・大学生等を招待します。最先端で活躍する研究者の講義、参加者の研究発表会など、普段の生活の中では得られない体験を通じて数理科学への関心をより一層高める機会を提供します。
開催日程 | 2015年8月15日(土) - 19日(水) | |||||||||||||||
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会場 | 京都府京都市 | |||||||||||||||
主催 | 特定非営利活動法人 数理の翼 | |||||||||||||||
参加者数 | 高校生40名程度、大学生または大学院生TA6名程度を予定 | |||||||||||||||
講師 |
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「数理の翼夏季セミナー」はフィールズ賞受賞者である広中平祐氏によって1980年に創始されました。以来毎年夏に全国各地および海外で開催され、今年で36回目を迎えます。
本セミナーは数理科学に強い関心をもつ高校生を対象とした合宿形式のセミナーです。第一線で活躍されている科学者・研究者の先生方によるハイレベルな講義を受け、様々な企画を楽しむ中で、全国から集った参加者同士が学年も地域も越えて交流します。
広中氏は本セミナーについて「1週間では学問の入り口を体験するに過ぎない。しかし全国から色々な学生が集まってくる。そうして自分よりもすごい人が大勢いる事を目の当たりにして刺激になるのだ」と語っています。そんな濃密な時間を過ごした過去のセミナーの同窓生は今では1900名を超え、セミナー参加後も数理科学を愛する同志として世代を越えた交流を続けています。
インターネットが普及した現代において、知識を得たり講義を受けたりすること自体は家に居ながらにして可能になりました。しかし本セミナー同窓生が参加時の講義や参加者同士の議論を強烈に記憶し、その後の人生に多大な影響を受けているように、生身の人間同士が出会い学ぶことは何にも代えがたい財産となります。私たちは、そんな非日常的な出会いと学びを皆さんに提供することをお約束します。
知的刺激への意欲あふれる皆さんからのご応募を、実行委員会一同心よりお待ちしております。
数理科学をはじめとする科学の各分野から、第一線の研究をなさっている著名な研究者の方々を数名招待し、それぞれの専門分野に関する最先端の講義がなされます。講師の先生方には、高校生だからといって遠慮することの無いハイレベルな講義をして下さるようお願いし、極めて濃密な講義が行われています。
講義の内容が十分には理解できないということもしばしばありますが、自分にとって未知なことが沢山ある、ということを認識し、講義をききながら疑問点や興味が自然発生的に湧いてくることを重視しています。
これらの疑問点や興味は、セミナーの中で講師の先生方に直接質問したり、他の参加者と話し合う中で、解消されたり、あるいはより一層深く掘り下げられていきます。
また数理の翼夏季セミナーは30回の開催を超え、過去参加者であった同窓生の中には、既に大学・研究所などで研究職に携わる方も増えてまいりました。そこで、このようなセミナーOB・OGの中からも講師を引き受けて頂いています。
夜の自由時間に参加者が自主的に開くゼミのことです。
数理の翼夏季セミナーでは、プログラムのない夕食後から就寝時間までを、宿泊施設内での自由時間とし、さらにいくつかの部屋を「夜ゼミ用」として開放しています。
この時間、参加者の中にはレクリエーションを楽しむ人や休養を取る人もおり、なごやかなひとときですが、大部分の参加者は、大広間に集まって夜ゼミに参加します。
夜ゼミの中には、あらかじめ大学生の班長などが企画して事前に予告して行うものもありますが、部屋に集まった参加者の中から自然発生的に始まるものもあります。かくして、夜中の自由時間の『夜ゼミ部屋』では、あちこちで小さなの人の輪がいくつも生まれ、スタッフが用意した携帯用ホワイトボードを囲んで就寝時間が来るまで白熱した議論が交わされます。
ゼミの中身は、昼間の講義についての解説や疑問点に関する夜ゼミがもっともメジャーですがそれだけに留まらず、数学や物理学、生物学などの諸分野について、参加者が日頃考えていることを発表、討論したりするような夜ゼミもあれば、大学生が高校生に大学の研究室の様子を説明する夜ゼミもあれば、自分たちの人生観などについて討論する夜ゼミなど様々で、個々の興味分野について情報を交換・吸収したり、意見を闘わせることができます。
このように「夜ゼミ」は、参加者の能動的な参加の場として大きな意義をもっています。知識の吸収に貪欲な参加者の多い、数理の翼ならではのひとときです。
数理の翼夏季セミナーは、ただ参加者が受け身になって話を聞くだけのセミナーではありません。参加者主体の活発なやり取りもセミナーの醍醐味の一つです。
参加者発表は、参加者自身がこれまで講師が立っていた場所に立って、自分の研究や普段から考えていることを発表する場です。セミナー期間中に1~2回程度時間が設けられています。発表を希望する人は、事前にスタッフに申し込めば誰でも行なう事ができます。
特に、「人前で自分の考えたことを発表する」機会が日常生活ではあまり与えられていない高校生には、とりわけよい刺激になるようです。「自分なんかが発表しちゃいけないかも……」などと考えず、是非積極的に発表してみて下さい。多いときでは、20人程度の発表があります。発表の内容も、部活等で行った研究の発表から、自分の興味のあるトピックを紹介するものまで様々です。中には、自分の住んでいる地域の紹介や、自らの人生観を語るようなユニークな発表もあり、毎年大盛況となります。
砂田利一先生
村山斉先生
岡島礼奈先生
中田陽介先生
早川卓志先生
美しく輝くダイヤモンド。どうしてタイヤモンドは美しいのか。このような結晶構造を持った物質に、いったいどんな対称性が隠れているのか。そんな問いに数学を用いて立ち向かうのが砂田先生の研究分野です。 現実の物質は、ミクロの世界まで見れば離散的な対象です。そんな離散的な対象に連続的な数学を用いてアプローチする。対称性を解析する幾何学と解析学を融合分野、離散と連続の間の架け橋。そんな新しい数学の世界へ一緒に足を踏み入れてみませんか。
1988年 | 名古屋大学教授 |
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1988年 | 日本数学会弥永賞受賞 |
1990年 | ICMに招待講師として招聘 |
1991年 | 東京大学理学部教授 |
1993年 | 東北大学理学部教授 |
2003年 | 明治大学総合数理学部教授 |
2010年 | ヨーロッパ科学評議会 専門委員 |
2013年 | 明治大学総合数理学部長 |
2013年 | 日本数学会出版賞を受賞 |
村山先生のご専門は素粒子理論です。素粒子理論は「物質の最小単位とはなにか」にこたえる理論で、加速器などで粒子を加速し衝突させる素粒子実験と共に発展してきました。「宇宙の始まりはどうなっているのか」「宇宙は何でできているのか」「私はなぜ存在しているのか」これらの誰もが抱く素朴な疑問に、素粒子理論で答えます。村山先生が初代機構長をつとめられているカブリ数物連携宇宙研究機構は、目に見えないこれらの難しい問題を解決するために物理学、天文学、数学分野の研究者を世界中から集めて研究を進めています。
1991年 | 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了 |
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1991年 | 東北大学助手 |
1993年 | ローレンス・バークレー国立研究所研究員 |
1995年 | カリフォルニア大学バークレー校助教 |
1998年 | カリフォルニア大学バークレー校准教授 |
2000年 | カリフォルニア大学バークレー校教授 |
2007年 | 東京大学数物連携宇宙研究機構*初代機構長 |
2008年 | 東京大学数物連携宇宙研究機構*特任教授 |
ふと夜空を見上げるとそこにはたくさんの星たちを見ることができます。さらにとても運が良ければ、夜空を駆ける流れ星に願い事をすることもできます。 岡島先生は、博士課程まで専門で研究された天文学の知識を活用して、人工的に流れ星を作りだす事業のビジネス化をなさっている方です。 流れ星を見たことがある人なら誰でもそのときの感動を覚えていることでしょう。その感動をいつどこにいても好きな時に。そんな夢とロマン溢れる世界へ皆さんをご招待します。
2005年 | 東京大学大学院理学系研究科天文学専攻修士課程修了 |
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2008年 | 東京大学大学院理学系研究科天文学専攻博士課程修了 |
2008年 | ゴールドマン・サックス証券入社 |
2009年 | エルエスパートナーズ株式会社設立 |
2011年 | 株式会社ALE設立 |
ファンタジー小説に出てくるような「透明マント」は実際に作れるでしょうか。近年、メタマテリアルと呼ばれる光の伝搬を自在に操れる人工物質の研究が盛んに行われており、透明マントも有り得ない話では無くなりつつあります。また、中田先生はそのような新規材料を設計・作成しているだけでなく、メタマテリアルが提起する電磁気学の基礎的な問題にも取り組んでいます。物理・工学・数学の絡み合う未知の世界を覗いてみましょう。
2011年 | 京都大学大学院工学研究科電子工学専攻修士課程修了 |
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2014年 | 京都大学大学院工学研究科電子工学専攻博士課程修了 |
2014年 | 信州大学先鋭領域融合研究群環境・エネルギー材料科学研究所特定助教 |
あなたと私は何が違うのか、ヒトとチンパンジーでは何が違うのか。早川先生は生物の感覚・生理・行動の種差や個体差について、ゲノム多様性の観点から霊長類について研究しています。先生はチンパンジーの苦味感覚に遺伝的な地域差があることや、ヒト・ニホンザル・チンパンジーなどを含む狭鼻猿類で、植物食性の進化とともに苦味受容体遺伝子のレパートリーが拡大したことを明らかにしました。ヒトとヒト以外の霊長類の意外な繋がりを、最先端のゲノム解析研究の側面から紐解きます。
2012年 | 京都大学大学院理学研究科 生物科学専攻 霊長類学・野生動物系修士課程修了 |
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2012年 | 日本学術振興会特別研究員DC1 (2015年3月まで) |
2015年 | 京都大学大学院理学研究科生物科学専攻霊長類学・野生動物系 博士後期課程修了 |
2015年 | 京都大学霊長類研究所 ワイルドライフサイエンス (名古屋鉄道) 寄附研究部門特定助教 |
2015年 | 公益財団法人日本モンキーセンター学術部研究教育室キュレーター |
スタッフ陣の取りまとめをしたり、ポスター・Webページをつくったりしています。 私たちスタッフは頼れるお兄さんお姉さんですので(自称)、セミナー中困ったことがあれば何でも相談してくださいね。
大学では地球科学を専攻しています。最近は地球と太陽の間の磁場に興味があります。 趣味は数学とコンピュータいじりです。高校生のときセミナーに参加して以来、もはや趣味でないくらい数学が好きになってしまいました。
当日、みなさんの笑顔を見られるのを心待ちにしています。
参加者が思いもよらない輝きを見せるような企画を考えています。参加者が、他の参加者の輝きに触れ、また参加者自身も自分の輝きに気づけるようなセミナーを作りたいと思っています。
大学では数学、物理学を中心に勉強しています。哲学などにも興味があり、少し勉強しています。数学的な諸対象にどのような構造が入っているのか、物理原理が数学的にどのように体系付けられるか、ということに興味があります。
当日、皆さんの輝きに触れられることを楽しみにしています。
セミナーでは講師担当として、講師の先生との連絡係などをしています。 大学では化学を中心に勉強しています。特に量子化学や無機化学、その関連で固体物理が好きです。「化学」というと高校生にとっては暗記科目かもしれませんが、実際は量子論によりかなりのことが説明できるおもしろい学問です。みんな化学しよう。しょうらいのゆめはりっぱならぼちくになることです(棒読み)。
セミナーは長いようであっという間に終わってしまいます。「変人が凡人になる」二度とは来ない貴重な機会を無駄にしないよう、他の参加者と存分に交流し、刺激を受けて下さい。
参加者のみなさんができるだけ早くセミナーになじんで活発に交流できるように、そしてその交流が長く続くものになるようにセミナープログラムを考えています。セミナーのなかで全員がそれぞれ居場所をみつけてほしいです。
大学では物理を勉強しており、趣味で少しずつ哲学の勉強を楽しんでいます。分野問わず何にでもすぐ興味をもちます。人間はこんなことをした/考えたのか、という視点から色々なことに感動することが多いです。
みなさんにお会いできるセミナー本番を楽しみにしています。
6月12(金) 必着
以下の参加者募集要項を熟読の上、応募書類一式をダウンロードして記入し、募集要項に記載の以下の宛先までお送りください。
※学校様等宛にお送り致しました募集要項において、応募先の郵便局名に誤りがございました。
ここに訂正させていただくとともに、関係者の皆様にご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます。
郵便局留めでのご応募になりますので、郵便サービスにてお送りください。 他社の宅配サービス(メール便含む)は不可です。
特定非営利活動法人 数理の翼は、「数理の翼夏季セミナー」の参加経験者有志が中心となって2001年に設立されました。科学教育による社会貢献活動を目的とし、「数理の翼夏季セミナー」「数理の翼福岡セミナー」「数理の翼大川セミナー」等を開催しています。
数理の翼は、科学に対する強い興味を持ち、この法人の活動に積極的に参加できる方の入会をお待ちしております。
名称 | 特定非営利活動法人 数理の翼 |
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Web | http://www.npo-tsubasa.jp/ |
設立 | 2001年5月(2001年10月内閣府認証) |
理事長 | 上野 雄文 |
役員・顧問 | 理事4名,監事1名(2015年4月現在) |
目的 |
会員相互の協力により科学に対する広範な知識、知見を提供し、科学に対して興味を持つ児童、生徒、学生に対して、次世代を担う人材としてその育成を行うこと。 および、それに関連して、広く不特定多数の市民、団体等に対して科学に関する提言や啓発活動を行い、もって、社会教育、子どもの健全育成などの公益の増進に寄与すること。 |
年度 | 名称 | 開催地 |
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2005年 | 第26回数理の翼夏季セミナー | 東京都 |
2005年 | 第11回福岡湧源セミナー | 福岡県 |
2006年 | 数理の翼ワークショップ2006 | 東京都 |
2006年 | 第27回数理の翼夏季セミナー | 広島県 |
2006年 | 第12回福岡湧源セミナー | 福岡県 |
2007年 | 第1回数理の翼冬季セミナー | 東京都 |
2007年 | 福岡湧源数理科学セミナー2007 | 福岡県 |
2007年 | 数理の翼ワークショップ2007 | 東京都 |
2007年 | 第28回数理の翼夏季セミナー | 北海道 |
2008年 | 数理の翼ワークショップ2008 | 東京都 |
2008年 | 第29回数理の翼夏季セミナー | 京都府 |
2008年 | 第13回数理の翼福岡セミナー | 福岡県 |
2009年 | 第30回数理の翼夏季セミナー | 大分県 |
2009年 | 第14回数理の翼福岡セミナー | 福岡県 |
2009年 | 数理の翼ワークショップ2009 | 東京都 |
2010年 | 第2回数理の翼冬季セミナー | 東京都 |
2010年 | 第31回数理の翼夏季セミナー | 北海道 |
2010年 | 「数理の翼」大川セミナー2010 | 福岡県 |
2011年 | 「数理の翼」大川セミナー2011 | 福岡県 |
2011年 | 第32回数理の翼夏季セミナー | 京都府 |
2012年 | 第3回数理の翼冬季セミナー | 東京都 |
2012年 | 第33回数理の翼夏季セミナー | 神奈川県 |
2012年 | 「数理の翼」大川セミナー2012 | 福岡県 |
2013年 | 第34回数理の翼夏季セミナー | 岩手県 |
2013年 | 「数理の翼」大川セミナー2013 | 福岡県 |
2014年 | 「数理の翼」大川セミナー2014 | 福岡県 |
2014年 | 第35回数理の翼夏季セミナー | 茨城県 |
当セミナーでは、科学に対して強い感心と高い素質をもつ若者たちに、できるだけ少ない経済的負担でその志を高めてもらうことを願うものであり、その運営のための資金はもっぱら皆様のご厚志のみによりまかなわれております。次世代の科学技術を担う若者たちに是非ともご支援をお願いし致します。
また、NPO法人「数理の翼」は「認定NPO法人」です。ご寄付いただいた個人・法人の方は税制上の優遇措置が受けられます。
ご支援いただくには、下記銀行口座にお振り込みいただくか、当NPO法人ウェブサイト内の『ご支援の方法』よりお申込みください。1口1000円として、1口以上のご寄付をお願い申し上げます。
口座 | 楽天銀行(旧名称:イーバンク銀行)マーチ支店(店番号211)普通7003798 |
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名義 | 特定非営利活動法人 数理の翼 (とくていひえいりかつどうほうじん すうりのつばさ) |
TEL | 03-6229-5618 |
office@npo-tsubasa.jp |
ご寄付をお振込み頂きました際には、下記連絡先にご氏名、ご住所、お振り込み額をご連絡ください。セミナー終了後には、実施報告書(セミナー講義録を含む)を送呈いたします。
NPO法人「数理の翼」への入会についてはwebサイト内の『ご入会案内のページ』を御覧ください。
認定NPO法人制度の詳細につきましては、内閣府NPOホームページをご覧ください。
TEL | 03-6275-6377 |
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FAX | 050-3588-8774 |
seminar@ml.npo-tsubasa.jp | |
ADDRESS | 〒105-0004 東京都港区新橋1丁目17番1号 新幸ビル4階 |